取引や投資にあたっては、事前に税務面を考慮して計画する必要があり、これは財務会計だけでなく法律問題でもあります。昨今、国際的に租税回避やマネーロンダリングの防止が強化されており、節税に偏重しすぎると大きなリスクを負うことになりかねませんので、バランスの取れたスキームを採用し、契約書等に落とし込んでおくことが大切です。
台湾は比較的行政の裁量が大きく、地域や窓口ごとの担当者によって対応にブレがみられることから、税務の手続等においても、余計な手間とコストがかかりがちです。一方で、税務署の意見に不服があれば、税務調査での交渉や、再調査請求、審査請求、訴訟の各行政救済手続きをとおして、納税者側の主張が認められる可能性も低いともいえません。
税法は頻繁に改正され変動する法領域ですので、学術機関や実務者間で連携し検討会を開くなどして、常に最新情報をアップデートする必要があります。当事務所は、事後的な情報収集に留まらず、例えば「海外の資金を台湾へ戻す際の取扱い及び課税に関する命令」等の立法政策について、台湾の国会にあたる立法院に対して様々な専門家意見の提供をしてきたほか、管轄官庁への法令解釈書面の請求や、所得税法に定める同業利益標準の改定についての意見提出等、前向きな取り組みを活発に行っています。
税務に関する当事務所の主なサービス内容は、次のとおりです。
A1.
会計士は様々なクライアントの税務申告のコンプライアンス業務や記帳代行などの業務を手掛けているため、税務当局とのやり取りにおいて、他のクライアントの業務に影響しないよう穏便にすませたいという心理が働きがちです。
一方、税務専門弁護士は税務申告業務などを行わないため、クライアントの権利利益を守るために最善の行動をとりやすい立場にあります。
そして、税法は結局のところ一種の法律です。税務分野について十分な訓練を受けた弁護士であれば、法律だけでなく財務会計等の実務についても見識があり、先例のない税務問題に対しても法的解釈の専門性により対処することができます。
A2.
税務当局の意見に準じて多少減額してもらえれば良いという方針で示談するのも、ひとつの解決手段として否定できませんが、納得できる結論に導くことができないことがしばしばです。
当局の依拠する課税やペナルティの根拠について、事実認定の誤り、法令の解釈や適用の誤り、立証責任の分配の錯誤などを見つけ出し、事実と法的根拠に基づいた説明をして、しっかりと交渉すべきです。
また、早期示談成立を目指す場合は特に、税務当局からいろいろな情報の提供を求められますが、もし、法律上の提出義務の有無や提出による影響を十分に考慮せず、要求されるまま闇雲に取引情報を開示してしまうと、予期せぬ新たなリスクを招くことになりかねませんので、情報開示の是非や範囲についても検討のうえで対応すべきです。
A3.
台湾の会社法第156条第5項は「株主の出資は、現金のほか、会社に対する金銭債権、会社の事業に必要な財産又は技術をもって充当できる。その充当金額は取締役会の決議による。」、同法第272条は「会社が新株を公開発行する場合、現金をもって株式の対価とする。ただし、従来の株主に割り当てる場合又は特定の者との協議により割り当てる場合であって、公開発行でないときは、会社の事業に必要な財産をもって出資することができる。」と定めています。つまり、会社の設立又は増資に際して、株主は、債権、資産、技術による金銭以外の出資方法を選択することができます。特に技術の出資については、技術力はあるが現金がない新興ベンチャーが株式を取得する方法に適しているといえます。
ただし、実際には、財務部(財務省に相当する行政機関)の通達によれば、「会社の株主は2014年1月1日以降、技術等の無形資産を出資に充当した場合、当該無形資産により充当された株式の対価の金額が当該技術に関する取得価額を超える部分の金額について、財産取引所得(訳注:日本の所得税法における譲渡所得に相当)とし、株主は所得税法の規定に従い所得税を申告納税しなければならない。」とされています。この場合、ベンチャー企業や技術者が技術提供と引き換えに株式を取得する行為が明らかに出資であっても、株式を売却等して資金化しておらず手元に現金がないにも関わらず、財務部により現物出資による払込み時点で所得が発生したと認定され、所得税を課されることとなります。しかも当該技術の取得価額の証明が難しい場合がほとんどですので、技術出資に対して割り当てられた株式の価額がそのまま個人の財産取引所得と見做される例が少なくありません。
立法院(国会に相当する代議機関)は後になって、中小企業発展条例と産業創新条例により、一定の条件を満たす場合の猶予措置(株式の取得時でなく処分時に始めて課税)を定めましたが、これはあくまで納税時期の猶予であって、納税義務はなおあることに注意が必要です。
ベンチャー企業の立ち上げや出資お考えの方で、法務面や税務面の留意点などについてサポートが必要な方は、お気軽に当事務所へお問合せください。
A4.
1. 關於營業人銷售額及辦理稅籍登記、營業稅稅率、申報及徵收的整理,請參見如下表整理。
網拍業者銷售額 | 是否需辦理稅籍登記? | 營業稅稅額 | 徵收方式 | |
---|---|---|---|---|
1 | 銷售貨物:80,000元以下 銷售勞務:40,000元以下 |
否 | 不課徵營業稅 | 不課徵營業稅 |
2 | 超過80,000元(銷售勞務者為超過40,000元)~ 200,000元以下 |
是 | 1% | 國稅局按季發單開徵 以銷售額比例計算應納稅額。 |
3 | 超過200,000元 | 是 | 5% | 網拍業者自行申報繳納。 採銷項扣除進項方式計算應納稅額。 |
2. 若每月銷售額超過20萬元,或依其營業性質、業別或規模經國稅局認定具使用統一發票能力的業者,國稅局將核定其使用統一發票。
針對網拍業者容易違反營業稅法規定之發票開立義務的態樣,可詳見本所誠遠新訊No.12 網路拍賣衍生之常見營業稅問題的整理。
A5.
台湾企業が外国企業や台湾国外の個人から提供された役務(研究開発など)の報酬についての源泉徴収の要否は、報酬の支払者と受領者の双方にとっての問題です。もしきちんと処理しなかった場合、どのような問題が起こり得るでしょうか。まず、支払者側には源泉徴収義務がありますので、源泉徴収漏れに対して自国の税務当局からペナルティを受ける可能性があります。納税義務者である受領者側は、税引き後の手取り金額が思っていたより少なかったり、自己の所在地国の税務当局から外国税額控除が認められなかったりという可能性があります。
理論的には、外国人(法人を含みます)は台湾政府に対して、台湾に発生源泉がある所得についてのみ税金を支払う義務があり、台湾外を源泉とする所得については納税義務がありませんので源泉徴収義務は生じません。「役務の提供に対する報酬」の源泉地については、国際的な判断基準によるならば、「役務提供地」の原則に基づき、役務提供を行った場所が台湾外の場合、その対価は台湾源泉所得ではなく、源泉徴収されるべきではないはずです。しかし、台湾においては、役務報酬とは「人による役務提供の対価」に限定され、「法人団体による役務の対価」については事業所得に属すると解され事業所得の源泉地の判断基準である「役務成果の使用地」の基準を採用するとされています(台湾の最高行政裁判所2000年5月第2回裁判長会議)。よって、企業が提供する役務については、たとえ台湾外で行われたとしても、成果の使用場所が台湾内である限り、台湾源泉所得として源泉徴収義務が生じることにご留意ください。
役務報酬の源泉徴収に纏わるリスクを低減するための実務的な解決方法としては、例えば以下の3通りが考えられます。
1.契約において、支払者が源泉徴収税額を負担するものとして税額を織り込んだ金額で約定する。
2.台湾所得税法第25条(台湾源泉所得の 実額計算ができない場合にみなし利益率の適用を認める制度)に基づく優遇税率の適用を申請する。
3.外国会社又は個人が台湾に恒久的施設(Permanent Establishment:PE)を有していないため、台湾での事業所得について台湾へ納税する義務がなく源泉徴収義務が生じないと主張し、日台租税協定第7条適用の事前申請を行う。
個別の案件については、状況に応じて具体的に検討する必要がありますので、豊富な経験と実績のある当事務所へお問合せください。
A6.
台商因為國際租稅規避和避免政府限制對中投資等因素,過去大量在租稅天堂國家設立紙上公司,用以接單或作為海外控股中心,從而累積大量利潤。
如果要赴日本或歐美當地進一步實體投資時,常有客戶詢問是否適宜由這些設立在租稅天堂國家的紙上公司作為日本子公司的發起人(股東)?
如果比較1. 直接投資:台灣母公司直接投資日本子公司與2. 間接投資:台灣母公司投資BVI子公司,再由BVI子公司投資日本、歐美孫公司的兩種情形,且均以孫公司利潤都回到最終受益人台灣母公司為前提假設,由於前者得使用台日租稅協定的優惠股利扣繳稅率、且股利匯出日本境外時的扣繳稅款能使用台灣營所稅的外國稅額扣抵,而後者無台日租稅協定的適用,也無法將股利匯出日本境外的扣繳稅款用於台灣營所稅的外國稅額扣抵,因此通常租稅效果前者會優於後者。
現實上,有若干公司可能在後者架構下,選擇將利潤停留在BVI子公司而不分配至最終受益人台灣母公司身上,以避免在台灣母公司身上實現台灣營所稅。不過這種作法,未來將因為我國所得稅法當中的PEM與CFC稅制的施行,而可能面臨補稅乃至於罰鍰的隱憂。(所得稅法第43-3條與第43-4條已經完成立法,施行日期將由行政院另訂之。)
此外,以日本為例,日本近年陸續與租稅天堂國家簽訂租稅條約,條約中不乏租稅資訊分享和執行互助等條文,亦請有意透過租稅天堂國家前往日本投資的投資人注意。
針對以上說明,或對於PEM與CFC稅制對台灣母公司的影響,乃至於有意透過其他有實質經營的第三地公司前往日本投資的情形,歡迎與本所聯繫。
A7.
税務上及びマネーロンダリングを疑われるリスクに繋がる可能性がありますのでご注意ください。
台湾では2017年にマネーロンダリング防止法が施行されました。同法第3条において、租税徴収法上の脱税罪、源泉徴収漏れの罪、脱税教唆の罪が、マネーロンダリングの前置犯罪である「特定犯罪」に該当するとされています。特定犯罪によって得た収益を、所得の粉飾や隠蔽又は刑事訴追から逃れることを意図して、他の者の所得として移し替えることで、その収益の本質、出所、行方、所在、所有権、処分権その他の権益を誤魔化すことだけでなく、その収益を受領、保有、使用する方も、法律上マネーロンダリングを行ったことになります。脱税とマネーロンダリングは連動しており、必然的にマネーロンダリングの捜査機関が連携して互いに情報伝達や告発をする仕組みを構築しています。
台湾の金融監督管理委員会が公布した「金融機関による一定額以上の通貨取引およびマネーロンダリングの疑いのある取引の報告に関する規則(中文:金融機構對達一定金額以上通貨交易及疑似洗錢交易申報辦法)」によると、一度にニュー台湾ドル50万元以上の現金の授受又は通貨取引」について、金融機関は顧客に対して所定の本人確認手続きを行い、本人確認の記録及び取引の証憑の原本を5年間保存するとともに、5日以内に法務部(法務省に相当する行政機関)に届け出る必要があります。
ただし、送金額がニュー台湾ドル50万元に満たないと何ら規制されないということではありません。「金融機関マネーロンダリング防止規則(中文:金融機構防制洗錢辦法)」によると、「マネーロンダリングやテロリズムの資金とするための取引である疑いがある様態」に該当するだけで対象となます、どのような取引が該当するのかが金融管理監督委員会2017年6月28日付通達「疑似洗錢或資恐交易態樣」に記載されており、例えば、敢えて届出が必要な特定金額未満の金額に分けて送金され累計金額が特定金額に達している、普段使われていない口座で突然特定金額以上の取引があった、台湾内外での送金理由について合理的に説明がつかないなどの状況がみられる場合、一度に送金される金額の大小にかかわらず、金融機関がすべて調査局へ通報しなければなりません(參照:附錄 疑似洗錢或資恐交易態樣)。
このように、取引内容の合法性、合理性、必要性、支払名義の正確性について説明が付くようにしておくことが、脱税やマネーロンダリングを疑われるリスクを回避するための大切なポイントです。当事務所は、国際取引及び国際課税のプランニングに関する豊富な経験があり、クライアントのニーズに応じて、取引効率と法的リスク管理を勘案した取引スキームのアドバイスや契約書作成等のサービスを提供しています。ご不明のことがおありでしたら、お気軽にお問合せください。
A8.
以下針對 直接投資或間接投資的優劣,分析比較如下:
直接投資 | 間接投資(例如租稅天堂國家) | |
---|---|---|
租稅天堂地之經濟實質問題 | 無此問題。 | ①EU/OECD對於在國際稅務上被列為黑名單的租稅天堂國家,要求會員國祭出制裁措施,如此導致租稅天堂公司和轉投資的孫公司容易受到影響。 ②租稅天堂公司達成 經濟實質營運要求的可能性存疑(例如有無可能定期至租稅天堂國家召開董事會做成經營決定?),如無法滿足該要求,可能被租稅天堂國家要求罰款或註銷公司。 ③當租稅天堂公司面臨被迫遷冊(維持同一人格,遷到其他國家)壓力,就被轉投資的日本孫公司而言,可能會被日本當成是一次股權移轉,租稅天堂公司要被課徵移轉股權的所得稅。 |
如與投資對象國有簽定租稅協定,適用問題? | ①有機會適用避免重複課稅之規定(所得者母國v.s所得來源地國) ②利息、股利、權利金扣繳率可減輕至10%(未來可能隨租稅協定更新,往下調低) |
多無簽訂租稅協定。即使有,亦少有規定左側避免重複課稅之規定。 |
台灣總部公司作為股利最終受益人,在最終子公司對境外股東發出股利而被該國扣繳稅額,是否可在台申報台灣總部營所稅時,主張外國稅額扣抵? | 台灣總部公司可以在向台灣稅捐機關申報所得稅時,就境外子公司支付股利時已經在該國被扣繳稅額,主張外國稅額扣抵,避免被重複課稅。 | 如為第三國孫公司支付股利至租稅天堂國家公司,再由租稅天堂國家公司匯回台灣總部公司的話,第三國匯出至租稅天堂時,被第三國政府要求扣繳之稅額,將無法由台灣公司在台灣主張外國稅額扣抵,台灣公司將受到重複課稅之不利益 |
境外子公司或孫公司內稽內控問題 | 由台灣總部公司作為直接股東,對境外子公司進行控制監督,效率較好。 | 由台灣總部公司間接透過租稅天堂公司,對第三地孫公司控制,監督管理效率較差。 |
移轉訂價查核問題 | 交易中台灣總部公司與子公司負擔之功能風險較明確,對應移轉訂價查核壓力較小。 | 交易流程中,如租稅天堂公司有參與的話,因難以說明租稅天堂公司在交易流程中擔負之具體功能與風險為何?因此對應移轉訂價查核壓力較大。 |
針對對外投資的境外投資架構,需要了解台灣與投資對象國當地的稅法與司法實務、租稅條約和OECD的反避稅及反洗錢政策,同時檢視客戶的具體交易模式後,才能作成符合個案需求的架構規劃。本所有遍及世界各地專業的聯盟所,能夠即時提供稅法資訊和豐富的實際成功案例經驗,如有對外投資架構的規劃需求,請不吝與本所聯繫。
A9.
許多國人過去因為三角貿易、家族傳承或投資理財的原因,
由於被提報為黑名單國家,可能會遭到歐盟國家以下制裁,
1. 高額扣繳稅款:歐盟公司支付BVI公司的股利、利息、權利金等,可能會被課徵7-80%的懲罰性扣繳稅款。
2. 銀行拒絕匯款:當銀行發現受款對象為BVI公司帳戶,有權拒絕客戶匯款的請求。
3. 歐盟公司與BVI公司進行交易而所支付的費用,不得承認為歐盟公司稅上費用。
4. BVI公司被視為沒有營運實質的受控外國公司,其控制公司若為歐盟公司將被適用CFC(受控子公司盈餘將被強制設算為控制公司所獲配的股利)。
如需更進一步說明,可參閱誠遠新訊第14期。
本所擁有豐富的國內稅務訴訟與協談經驗,並即時掌握國際租稅動向,同時於全世界主要國家皆有合作關係緊密的聯盟所,如您有相關問題,有諮詢必要,請不吝與本所聯絡。