専門分野

台湾進出サポートおよび就労居留

台湾は治安も良く、日系企業の商品、サービスや雇用機会が人々に歓迎されており、中華圏の各国への試金石としても最適といえます。

海外への投資や取引にあたっては、まず税務リスクを考慮する必要があります。近年、国際的な租税回避やマネーロンダリング防止策が強化されており、合法性と節税効果を考慮した最適な対応がますます重要になっています。

また、現地法人や支店と親会社との関係を含む調和のとれた労使関係は、従業員が業務に意欲的に取り組むモチベーションの源泉となり、会社としても自信をもって長期的な育成へリソースを投入でき、より強い集団を目指すことに繋がります。

当事務所は、法務はもちろん国際税務や労務に明るく、日台双方の実務に精通しており、留意すべき日本との差異にポイントを置いて説明するようにしています。また、法律の専門家が通訳を介さず日本語で直接対応できますので、紛らわしい用語も誤解のない表現でご説明することができます。また、台湾での起業をお考えの方や、ご家族の居留問題などについてもご相談を承ります。

サービス項目:

01
台湾進出スキームに関する法務及び税務面のアドバイス
02
台湾会社の設立、増減資などに関する手続きのサポート
03
M&A、合弁、フランチャイズ等の法務及び税務面のサポート
04
就業規則、雇用契約書雛形作成のサポート
05
駐在員のビザ、就労許可、居留証の申請サポート
06
台湾での商標出願の代理

当事務所の特色

01
幅広い業種の対応実績があり、その特色に応じたサービスを提供します。
02
法務、税務、財務、労務について整合のとれた横断的なアドバイスを提供します。
03
中国語、日本語、英語で対応可能です。

よくあるご質問

Q1.(台湾現地法人設立)台湾会社の設立の流れ

A1.外国会社の台湾子会社(株式会社)を設立する場合の流れは、概ね下表のとおりです。

順番 項目 備考
1 商号及び営業項目の予備審査 商号は中国語繁体字表記でなければなりませんが、英語名称を追加で登記することができます。
2 銀行口座開設 発起人からの資本金払込先の口座として、台湾の銀行に発起人と設立予定会社が共同で当該会社の設立準備室名義の口座を開設。
3 投資審議委員会への投資申請 外国人が投資する資金が台湾に流入する場合は経済部投資審議委員会(以下「投審会」)の事前許可が必要です。
4 設立準備室口座への資本金の払込 投審会の許可を得た後で、定款に規定された資本金額を設立準備室口座に送金します。
5 資本金払込の確認 資本金払込の後、投審会による資本金審査を受け、また、会計士の資本金払込確認を受けて資本金監査報告書を取得。
6 会社設立登記申請 投審会の外国人投資許可、資本金監査報告書、オフィスの賃貸借契約書その他の必要書類を、所在地を管轄する設立登記機関に提出。
7 税籍登記 董事長(代表取締役会長)本人が所在地を管轄する税務当局に出向き、会社設立登記表を提示して、税籍登記を申請します。
8 銀行口座名義の変更 設立準備室口座を開設した銀行に、会社設立登記表及び銀行所定の文書を提出し、口座名義を会社の名義に変更。
9 その他 輸出入を行う場合は、経済部国際貿易局に英語名称で貿易商の登録を行います。 会計期間について、台湾では原則として12月決算で、他の期間とする場合は特殊会計期間の申請をする必要があります。

 

設立に要する時間について、業法上の許認可が必要な業種(例えば学習塾業は教育部、金融業は金融監督管理委員会の審査を受けます)でない場合は、各種必要書類の完備と銀行口座の開設日から起算して、銀行口座名義の変更までの工程が完了するまで約2か月を要します。ただし、発起人の資本金送金や子会社代表取締役が来台して行う税籍登記手続きの遅滞により、さらに時間がかかる場合があります。

Q2.(台湾進出)(台湾会社法)台湾子会社、支店、駐在員事務所の違い

A2.台湾の子会社、支店、駐在員事務所の主な違いは、下表のとおりです。

項目 子会社 支店 駐在員事務所
法人格 独立した法人格を有する 独立した法人格を持たない 独立した法人格を持たない
営業行為 台湾において子会社名義で営業行為を行うことが可能 台湾において親会社名義で営業行為を行うことが可能 台湾において営業行為を行ってはならない
定款 定款の作成が必要 台湾支店に親会社の定款を備え置かなければならない 定款は不要
資本金 定款に依拠した資本金額を払込 自己資本金は不要 自己資本金は不要
営業税 統一発票の発行のため、5%の営業税の納付が必要 統一発票の発行のため、5%の営業税の納付が必要 営業行為を行わないため、営業税の納付は不要
法人税(営利事業所得税) 20%の法人税の納付が必要 20%の法人税の納付が必要 営業行為を行わないため、法人税の納付は不要
配当に関する課税 日本の親会社に剰余金を分配する場合、台湾で20%の所得税が源泉徴収される 日本の親会社に剰余金を分配する場合でも、台湾で源泉徴収されない 営業行為を行わないため、配当できる利益がなく、課税関係も生じない

 

資本金又は運営資金の金額について、会社法上は最低金額の規定はありませんが、駐在員などで台湾籍以外の方が就労する場合はビザの関係で一定額以上とする必要があります。会社設立についてさらに詳細な情報が必要な場合は、当事務所へお問合せください。

Q3.(台湾会社法)会社設立業者からの、台湾会社設立に際し、株主が自らの資金を通じず、銀行から資金を借り入れて資本金払込をし、会計士の資本金監査後3日経ってから銀行に返済すればいいという設立時の見せ金に関連するアドバイスを聞くことがありますが、本当に問題ないでしょうか?

A3.台湾の会社法の規定により、股份有限公司(株式会社に相当)又は有限公司(合同会社に相当)が負担する債務については、株主はその出資額を限度として債権者への弁済の責任を負うとする「有限責任」です。反対に、個人事業の場合、個人の現在と未来の財産をもって「無限責任」を負うこととなります。つまり、有限責任の形態の会社は、出資者の財産的リスクを低減する一方で、債権者にとっては十分に債権が担保されないといえます。そのため、台湾会社法は会社の資本について「資本確定原則」を要求しており、会社の資産(現金、知的財産権、固定資産、棚卸資産など)は定款に定める資本額と一致しなければならず、会社運営上の取引によって若干の際が出たとしても、少なくとも会社設立時の出資や増資の払込時においては、出資された資産と資本額が合致していなければなりません。

台湾会社法第9条第1項に「会社の出資金について、実際には株主から払い込まれていないにもかかわらず申請書では全額支払われていると表明し、又は、株主が実際に払い込み登記後に株式の対価を株主に返還した場合もしくは会社が株主による株式の対価の回収を容認した場合、会社責任者は各々5年以下の懲役、禁固若しくはニュー台湾ドル50万元以上250万元以下の罰金を科し又はこれらを併科する。」と規定されています。このほか、会社の経営者は、会社又は第三者に損害を及ぼした場合、株主と連帯してその損害を賠償しなければならず、また、判決が確定したときは、会社は主管機関により登記を廃止されます。このように、一時的に融資を受けて出資する見せ金行為は、民事及び刑事罰の大きなリスクがあり、お勧めできません。

Q4.台湾会社に技術などを現物出資する場合の税務リスクを教えてください。

A4. 台湾の会社法第156条第5項は「株主の出資は、現金のほか、会社に対する金銭債権、会社の事業に必要な財産又は技術をもって充当できる。その充当金額は取締役会の決議による。」、同法第272条は「会社が新株を公開発行する場合、現金をもって株式の対価とする。ただし、従来の株主に割り当てる場合又は特定の者との協議により割り当てる場合であって、公開発行でないときは、会社の事業に必要な財産をもって出資することができる。」と定めています。つまり、会社の設立又は増資に際して、株主は、債権、資産、技術による金銭以外の出資方法を選択することができます。特に技術の出資については、技術力はあるが現金がない新興ベンチャーが株式を取得する方法に適しているといえます。

ただし、実際には、財務部(財務省に相当する行政機関)の通達によれば、「会社の株主は2014年1月1日以降、技術等の無形資産を出資に充当した場合、当該無形資産により充当された株式の対価の金額が当該技術に関する取得価額を超える部分の金額について、財産取引所得(訳注:日本の所得税法における譲渡所得に相当)とし、株主は所得税法の規定に従い所得税を申告納税しなければならない。」とされています。この場合、ベンチャー企業や技術者が技術提供と引き換えに株式を取得する行為が明らかに出資であっても、株式を売却等して資金化しておらず手元に現金がないにも関わらず、財務部により現物出資による払込み時点で所得が発生したと認定され、所得税を課されることとなります。しかも当該技術の取得価額の証明が難しい場合がほとんどですので、技術出資に対して割り当てられた株式の価額がそのまま個人の財産取引所得と見做される例が少なくありません。

立法院(国会に相当する代議機関)は後になって、中小企業発展条例と産業創新条例により、一定の条件を満たす場合の猶予措置(株式の取得時でなく処分時に始めて課税)を定めましたが、これはあくまで納税時期の猶予であって、納税義務はなおあることに注意が必要です。

ベンチャー企業の立ち上げや出資お考えの方で、法務面や税務面の留意点などについてサポートが必要な方は、お気軽に当事務所へお問合せください。