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No. 7【大規模電力消費者の再生可能エネルギー採用義務】

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「一定の契約容量以上の電力使用者の再生可能エネルギー設備設置義務措置」(以下「大規模電力消費条項」といいます。)が2021年1月1日に発効し、台湾の経済部エネルギー局(経済産業省資源エネルギー庁に相当する行政機関)からも再生エネルギー義務者(以下「大規模電力消費者」といいます。)へ義務の履行に関する事項が通知されました。大規模電力消費条項及び近い将来に提出しなければならない執行計画書について、以下に説明します。

 

一、大規模電力消費者への該当性
大規模電力消費条項第3条第1項によると、台湾電力股份有限公司との電力供給契約の場合、契約容量が5,000kW以上(5,000kWを含みます)であれば大規模電力消費者に該当し、大規模電力消費条項に基づく義務の適用対象になります。例えば、エネルギー局が2021年に通知した大規模電力消費者は、2020年度の平均契約容量が5,000kW以上ということを判断基準にしています。
 

二、大規模電力消費者の義務
大規模電力消費者条項第6条に基づき、大規模電力消費者は、前年の平均契約容量の10%の電力について、再生可能エネルギー発電設備の設置、再生可能エネルギー発電の電力購入及び証憑、蓄電設備の設置、又は負担金の納付の4つの方法にいずれかにより義務を履行しなければなりません。

 

以下は、平均契約容量が6,000kWの場合の例です。

 

義務履行方式

義務容量

備考

1

再生可能エネルギー発電設備の設置

設備容量600kW以上

設置場所は大規模電力消費者の自社敷地でなくて構いませんが、設備の所有権は自社に帰属しいてなければなりません

2

再生可能エネルギー発電の電力購入及び証憑

年間を通して600kW以上の電力を再生可能エネルギー発電による電力で購入する

年間1,250度/kWの場合、年間750,000度を再生可能エネルギーで調達

3

蓄電設備の設置

設備容量600kW以上で少なくとも2時間電力供給できること

設備の運転期間中の発電(放電)の平均値が80%以上でなければなりません

4

負担金の納付

600kW×2,500度/kW×負担金比率(4%)=NTD6,000,000

負担金比率は将来調整される可能性があります

大規模電力消費者条項第7条第1項の規定に基づき、2021年1月から5年以内に義務の履行を開始しなければならないとされています。つまり2025年末までに、上記1~3の方式で義務を履行し、未達の場合には4の方式で負担金を納付することになります。なお、上記1~3の方式による義務の早期履行のインセンティブとして義務容量を軽減する措置があり、履行完了が2024年末までであれば元の90%に、2023年末までであれば元の80%になります。

 

三、大規模電力消費者認定、義務容量認定に疑義がある場合
エネルギー局から大規模電力消費者であると認定された場合において、平均契約容量の計算に疑問があるとき、つまり、平均契約容量は5,000k以下であり大規模電力消費者に該当しないと考える場合、又は大規模電力消費者に該当するが義務容量は通知された数値より低いはずと考える場合、エネルギー局に所定の「義務装置容量更生申請書」を提出して更生を求めることができます。

 

四、将来平均契約容量が5,000kWを下回った場合,大規模電力消費者に該当しなくなるか?
大規模電力消費条項第3条第2項に基づき、エネルギー局は、2023年末までに、大規模電力消費者の範囲を再検討することとなっています。また、大規模電力消費条項第5条第2項に基づき、年間平均契約容量が前年の通知より10%以上減った場合は、エネルギー局に対して、それを証明できる文書を提出し変動の原因を説明することで、当年度の義務容量の変更を求めることができます。

 

五、義務執行計画書の内容と提出期日
大規模電力消費条項第8条第1項に基づき、大規模電力消費者は2022年3月31日までに義務執行計画書を提出しなければなりません。義務執行計画書の内容に変更があった場合、変更内容の対照表を作成して、変更事由を説明する必要があります。

 

エネルギー局に問い合わせたところ、義務執行計画書に記載すべき内容は、次のとおりです。


1. 義務履行の方法
記載例:(600kW義務容量の場合)
(1) 350kWについて太陽光発電設備を設置する(設備の位置、装置容量、設置完了予定時期)
(2) 250kWについて、太陽光発電による電力を購入する(312,500度を予定)


2. 義務達成スケジュール
記載例:2025年末までに太陽光発電設備を設置するとともに、太陽光発電による電力を購入する。

 

なお、義務執行計画書は2022年3月末までに提出しなければなりませんので、早めに計画することをお勧めします。

 

この記事はエネルギー局の資料を参考にしています。さらに詳しい情報については下記のエネルギー局ウェブサイトをご参照いただくか、当事務所へご相談ください。https://www.re.org.tw/news/more.aspx?cid=198&id=3754 

 

周泰維  パートナー弁護士:david.chou@eternity-law.com 

廖沿臻  弁護士:yenchen.liao@eternity-law.com 

松見日帆子 シニアカウンセル:hihoko.matsumi@eternity-law.com 


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